小胸筋(しょうきょうきん)は、胸の深部に位置する筋肉で、大胸筋の下に隠れている小さな筋肉です。小胸筋は、肋骨と肩甲骨を結び、肩の動きや呼吸に関わる重要な役割を持っています。
小胸筋の構造
小胸筋は、3本の肋骨(第3肋骨~第5肋骨)から始まり、肩甲骨の**烏口突起(うこうとっき)**と呼ばれる部分に付着しています。小さな筋肉ではありますが、肩甲骨を安定させ、肩や胸の動きを補助します。
小胸筋の主な役割
肩甲骨の下制・前方引き寄せ
小胸筋は、肩甲骨を下に引き下げたり、前方に引き寄せる動きをサポートします。例えば、手を前に突き出すときや肩をすくめる動作に関与します。
呼吸の補助
小胸筋は、深い呼吸をサポートする役割もあります。肋骨に付着しているため、強い呼吸が必要なときに肋骨を引き上げ、胸郭を広げて呼吸を補助します。
姿勢の安定
肩甲骨の動きや位置を調整することで、上半身全体の姿勢をサポートします。肩の前方への引き寄せや安定性を保つことで、肩や胸の筋肉が正しく機能するように助けます。
小胸筋の問題点と影響
小胸筋が過度に緊張すると、肩や首に痛みが出ることがあります。特に、長時間のデスクワークや悪い姿勢が原因で小胸筋が固くなると、肩が前に引っ張られ、いわゆる「巻き肩」の状態を引き起こす可能性があります。これにより、肩こりや首のこり、さらには胸郭出口症候群(腕や手のしびれを伴う症状)などが生じることがあります。
胸のストレッチ
壁やドア枠に腕を置き、胸を開くようにして肩甲骨を後方に引くストレッチが、小胸筋を伸ばすのに効果的です。
肩甲骨の可動性向上