三角筋(さんかくきん、Deltoid muscle)は、肩部に位置する主要な筋肉で、肩の形を形成し、肩関節の広範な動きに関与しています。三角筋は、肩の外側から見える筋肉で、肩の動きにおいて非常に重要な役割を果たします。
三角筋の構造
三角筋は、以下の3つの部分に分かれています:
・前部(三角筋前部)
位置: 鎖骨の前面と肩甲骨の前部から始まり、上腕骨の三角筋粗面に付着します。
機能: 肩関節の前方に向けた屈曲(フレクション)や内旋(内側に回転)に関与します。また、肩を前に押し出す動作をサポートします。
・中部(三角筋中部)
位置: 肩甲骨の肩峰部から始まり、上腕骨の三角筋粗面に付着します。
機能: 肩関節の外転(横に開く動作)を担当します。腕を横に広げる際に使います。
・後部(三角筋後部)
位置: 肩甲骨の後部(肩甲骨棘)から始まり、上腕骨の三角筋粗面に付着します。
機能: 肩関節の後方への伸展(エクステンション)や外旋(外側に回転)に関与します。肩を後ろに引く動作をサポートします。
三角筋の主な役割
肩の動きの幅を広げる
三角筋は、肩関節の様々な動きをサポートし、肩の広範な可動域を実現します。腕を前、横、後ろに動かす際に重要です。
肩の安定性を保つ
肩の関節を安定させる役割を果たし、肩の動きや姿勢を維持するのに役立ちます。
肩の強化と姿勢の改善
三角筋を鍛えることで、肩の筋力を向上させ、姿勢を改善することができます。特にデスクワークや長時間の座位作業に伴う肩こりの予防にもつながります。
三角筋のトレーニング
三角筋を効果的に鍛えるためには、以下のエクササイズが有効です:
・ショルダープレス
ダンベルまたはバーベルを使い、肩の高さから上に押し上げるエクササイズです。三角筋全体をターゲットにします。
・サイドレイズ
ダンベルを持ち、体側から腕を横に持ち上げるエクササイズです。特に三角筋中部を強化します。
・フロントレイズ
ダンベルを持ち、前方に腕を持ち上げるエクササイズです。三角筋前部を鍛えます。
・リアデルトレイズ
ダンベルを持ち、前傾姿勢で腕を後ろに引くエクササイズです。三角筋後部をターゲットにします。
・アーノルドプレス
ダンベルを肩の高さから回転させながら押し上げるエクササイズです。三角筋全体に効果的です。
三角筋が緊張すると、肩や首に痛みが生じることがあります。以下のストレッチで筋肉の柔軟性を保ち、緊張を緩和できます:
肩のストレッチ
一方の腕を横に伸ばし、反対の腕で肩を引き寄せるストレッチです。三角筋の前部と中部を伸ばします。
後ろの肩のストレッチ
一方の腕を胸の前で横に伸ばし、反対の手で腕を引き寄せるストレッチです。三角筋の後部をターゲットにします。
手を後ろで組むストレッチ
手を背中で組んで肩を引き上げるストレッチです。肩の前部を伸ばし、筋肉の緊張を和らげます。
三角筋の重要性
三角筋は肩の形状を作り、肩関節の動きと安定性に不可欠です。筋肉を強化し、ストレッチすることで、肩のパフォーマンス向上や怪我の予防が可能になります。また、日常生活や運動での肩の可動域を広げるのに役立ちます。