DICTIONARY
用語集
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捻挫

捻挫(ねんざ)は、関節をつなぐ靭帯が伸びたり、部分的に断裂したりする怪我です。通常、関節が不自然な方向に強くひねられたり、曲げられたりした際に発生します。捻挫はスポーツや日常生活で頻繁に見られ、特に足、手、膝などの関節に起こりやすいです。

1. 捻挫の種類と発生しやすい部位

捻挫は関節によって発生しやすい場所が異なります。

① 足捻挫

最も一般的な捻挫です。足を内側または外側に強くひねったり、転倒したりした際に発生します。

② 手捻挫

手をついた際に手がひねられることで起こります。転倒やスポーツで多く見られます。

③ 膝の捻挫

突然の方向転換や膝を過度にねじった際に発生します。スポーツでの急な動きが原因になることが多いです。

④ 指の捻挫

指が強く伸びたり、曲がったりした際に起こります。バスケットボールやバレーボールなどでよく見られます。

2. 捻挫の症状

捻挫の症状は、損傷の程度に応じて異なりますが、一般的には以下の症状が見られます。

痛み: 関節を動かすと痛みが強くなり、ひねった瞬間にも強い痛みを感じます。

腫れ: 関節部分が腫れ、ひどい場合にはすぐに腫れが現れます。

内出血(あざ): 損傷した靭帯からの出血により、皮膚の下にあざができることがあります。

可動域の制限: 捻挫した関節は動かしにくくなり、無理に動かそうとすると痛みが増します。

不安定感: 関節が不安定になり、足や手の場合は支える力が弱くなります。

3. 捻挫の原因

捻挫は、関節に過度の力がかかることで発生します。以下が一般的な原因です。

転倒やつまずき: 足をひねったり、手をついた際に手を傷めることが多いです。

スポーツ外傷: 急な方向転換やジャンプの着地時に関節がねじれて捻挫することがあります。

過度のストレス: 過度に関節を使い続けることで、靭帯に負担がかかり、捻挫が発生しやすくなります。

4. 捻挫の治療方法

① RICE処置

捻挫の初期対応として、RICE処置が最も効果的です。

Rest(安静): 捻挫した関節を安静に保ち、無理に動かさないようにします。

Ice(アイシング): 腫れや痛みを抑えるために、氷をタオルで包んで1回15〜20分程度冷やします。これを数時間おきに繰り返します。

Compression(圧迫): 包帯やサポーターで軽く圧迫することで、腫れを抑え、内出血を防ぎます。

Elevation(挙上): 捻挫した部分を心臓より高く挙げることで、腫れを軽減します。特に足や手捻挫に効果的です。

② 鎮痛剤の使用

痛みが強い場合、市販の鎮痛剤(アセトアミノフェンやイブプロフェン)を使用して痛みを緩和することができます。

③ 固定

関節を安定させるために、サポーターやテーピングで固定することが有効です。特に動かす際の痛みや不安定感を軽減します。

④ リハビリテーション

回復期には、可動域を少しずつ回復させ、関節の強度と安定性を取り戻すためのリハビリが重要です。筋力トレーニングやストレッチが推奨されます。

⑤ 手術

非常に重度の捻挫や靭帯の完全断裂が疑われる場合、手術が必要になることがあります。靭帯を再建し、関節の安定性を回復させる手術が行われることがあります。

5. 捻挫の重症度

捻挫は、靭帯の損傷度合いに応じて以下の3段階に分類されます。

① 軽度(1度)

靭帯のわずかな伸びや部分的な損傷。痛みはあるが、腫れや関節の不安定感は軽度で、比較的早く回復します。

② 中度(2度)

靭帯が部分的に断裂し、痛みや腫れ、内出血が見られます。関節が不安定になり、動かすのが困難です。リハビリが必要です。

③ 重度(3度)

靭帯が完全に断裂し、関節の安定性がほとんど失われます。腫れや痛みが非常に強く、手術や長期間のリハビリが必要です。

6. 捻挫後のケアと回復

安静: 無理に動かさないことで、靭帯の回復を促します。痛みや腫れが収まったら、リハビリを始めることが重要です。

リハビリテーション: 筋力と柔軟性を取り戻すために、理学療法士の指導の下でリハビリを行います。ストレッチや軽い筋力トレーニングが推奨されます。

再発防止: 捻挫後の関節は不安定になりやすいため、サポーターやテーピングを使うことで再発を防ぐことができます。

7. 捻挫の予防

捻挫を予防するためには、以下の対策が有効です。

筋力トレーニング: 関節を支える筋肉を強化することで、捻挫のリスクを減らします。

柔軟性の向上: 関節の柔軟性を高めるストレッチウォームアップが、捻挫の予防に役立ちます。

適切な靴の選択: 特に足捻挫を予防するために、サポート力のある靴を履くことが重要です。

注意深い動作: 特にスポーツや日常生活で、急激な動きや無理な動作を避けることが大切です。

捻挫は、初期対応が重要で、適切な治療を行うことで回復を早め、再発を防ぐことができます。また、筋力トレーニングや柔軟性を保つことで、捻挫のリスクを減らすことができます。