サムレスグリップは、ウエイトトレーニングにおけるグリップの一種で、親指をバーの下に巻きつけず、他の指と同じ側に置く握り方を指します。このグリップは、親指を使わないため「サムレス(thumb-less)」 と呼ばれ、別名「オープングリップ」や「スーサイドグリップ」とも呼ばれることがあります。
サムレスグリップの特徴
親指をバーに巻きつけない: 通常のグリップでは、親指をバーに巻きつけることでバーをしっかり握りますが、サムレスグリップでは親指を他の指と同じ側に置きます。
使用されるトレーニング: ベンチプレス、オーバーヘッドプレス、懸垂などの種目で使用されることが多いです。
サムレスグリップのメリット
前腕や手首の負担軽減: 通常のグリップでは、親指を巻きつけることで手首や前腕に負荷がかかる場合がありますが、サムレスグリップはこの負担を軽減し、より自然な手の位置でバーを握ることができます。
ターゲット筋への集中: サムレスグリップを使うと、肩や胸の筋肉(ベンチプレスの場合)に意識を集中しやすくなり、特定の筋肉を効果的に刺激することができます。特に、胸筋を強く刺激したい場合に有効です。
手首のストレス軽減: 親指を巻かないことで、手首が自然な位置を保ちやすくなり、手首の負担を減らすことができます。
サムレスグリップのデメリットとリスク
バーが滑りやすくなる: 親指を使わないことで、バーが手から滑りやすくなるリスクが高まります。特に重い重量を扱うときは、安全性に注意が必要です。ベンチプレスなどでは、万が一バーが手から滑ると、重大な事故につながる可能性があります。
安定性の低下: 通常のグリップと比べると、握力やバーの安定性が低下することがあります。これにより、バランスを崩したり、筋力が不足している場合、筋肉にかかる負荷が十分にかけられないこともあります。
サムレスグリップを使う際の注意点
安全第一: 特にベンチプレスなど、重いウェイトを扱う際には十分な注意が必要です。サポーターをつけるか、スポッター(補助者)に手伝ってもらうのが良いでしょう。
フォームの確認: サムレスグリップは特定の目的や状況に合うものですが、フォームが崩れやすいため、常に正しい姿勢と動きを確認することが重要です。
重すぎる重量に注意: 親指でしっかりとバーを握れないため、極端に重い重量を扱う際は、通常のグリップに戻す方が安全です。
どんな人に向いているか?
前腕の負担を軽減したい人: 手首や前腕に違和感を感じる場合、サムレスグリップを試してみることで改善されることがあります。
胸筋や肩に集中したい人: ベンチプレスなどで、胸筋や肩の筋肉により強い刺激を与えたい場合、サムレスグリップを使うことで意識を集中しやすくなります。
サムレスグリップは、正しく使えばトレーニング効果を高めることができる一方で、安全面に十分な配慮が必要なグリップ方法です。重い重量を扱うときは特に注意し、適切なサポートや正しいフォームを心がけましょう。